練馬区選挙管理委員会が大学生と作った啓発グッズのトイレットペーパー=区提供
選挙のたびに、若者の投票率の低さが話題になる。東京都の練馬区選挙管理委員会がボランティアの大学生と協力して、トイレットペーパーの啓発グッズをつくった。生活のなかで必ず行く場所で、毎日ながめているうちに自然と都知事選の投票の仕組みが頭に入る。
7月7日の投票日に「投票できますか」という質問からスタート。「はい」と答えた人には選挙のお知らせを見て指定投票所に行くよう案内し、「いいえ」の人には期日前投票の仕組みや、遠方にいても「滞在地投票」ができると矢印で説明する図をデザインした。
千個を作り、区内にキャンパスがある武蔵大、武蔵野音大、日本大芸術学部などに配布した。
練馬区選管は、若者たちの選挙や政治に対する関心を高める方法を、同世代の視点で考えようと「選挙啓発サポーター」を組織している。メンバーは18~39歳の学生や社会人のボランティアで、計60人。都知事選の啓発グッズの開発には、この中から大学生2人が参加した。「トイレは毎日行く場所で自然と目に付く。巻きながら啓発できるとおもしろい」とするアイデアが生まれた。
選挙の投票率は、年代によって大きく開きがある。2020年の前回知事選では、最も高かった70~74歳が65.53%だったのに対し、21~24歳は39.19%にとどまり、20ポイント以上の差がついた。区選管の山崎泰事務局長は「まずは投票に複数の仕組みがあることを知ってほしい」と話している。(奥野斐)