住民監査請求について説明する「昭島巨大物流センターを考える会」のメンバー=立川市で
東京都昭島市のゴルフ場跡地に建設が計画されている大型物流施設を巡り、市内の住民223人が10日、施設の周辺整備に関する地区計画を見直すよう市に求める住民監査請求をした。地区計画は、市の「都市計画マスタープラン」の環境保全方針に矛盾するとしている。(松島京太)
請求したのは、物流施設計画の見直しを求める市民団体「昭島巨大物流センターを考える会」のメンバーら。監査請求人には223人に加え、生態系の保護の観点から「今の地区計画では生きていけない」として地域に生息するオオタカとアナグマも加えた。
物流倉庫建設計画地周辺に生息するアナグマ=昭島市で(昭島巨大物流センターを考える会提供)
監査請求書などによると、市のまちづくりの基本となる都市計画マスタープランには、玉川上水の周辺は「生物多様性に配慮した環境を保全する」などの方針が明記されている。しかし、物流施設の周辺整備についての地区計画では、樹木伐採や道路整備で生態系に悪影響が及ぶと主張した。
施設は、物流施設運営大手「日本GLP」(中央区)が設立した特定目的会社が計画。昨年10月に閉鎖された「昭和の森ゴルフコース」の跡地59万平方メートルに建設を予定している。同社が都に提出した計画では、高さ最大55メートルの物流施設6棟や、高さ40メートルのデータセンター9棟を建設するなどとしている。
考える会は、物流施設が稼働すればトラックの交通量が大幅に増え、周囲の自然豊かな環境が壊されるとしている。
立川市役所で記者会見した長谷川博之共同代表は「緑地率や高さ制限の設定など、開発見直しにつながるような地区計画を検討してほしい」と求めた。