走者許しても信じた直球 拓大一(2年)・岡部蓮投手<高校野球・西東京>

2年生の背番号1は、日差しが照り付けるマウンドで肩で息をした。自然と投球間隔が長くなる。一回途中から救援し、何とか要所を抑えていたが、八回、ついに捕まった。追加点を許し、マウンドを降りた。

昨夏。1年生ながら5回戦で日大三との試合に先発した。「とにかく緊張して焦った」。強力打線に打ち込まれ6失点。六回途中でマウンドを降りた。「自分が3年生の夏を終わらせてしまった」。何度も自身を責め、後悔が募った。

だからこそ、決意は固かった。「今年はもっと3年生と野球がしたい」。20日の5回戦では、第1シードの東海大菅生を相手に多彩な変化球を駆使して完投勝利。因縁の日大三にリベンジする機会をつかんだ。

「菅生戦を研究されていると思ったので、とにかく直球で押した」。毎回のように安打を許したり四球を出したりしても、迷わず直球を投げ続けた。五回に味方の失策で1点を失った以外は、何とか0で切り抜けたが八回に力尽きた。

「神宮で先輩たちとやる野球は楽しかった。来年は自分がチームを甲子園に連れて行く」。頼れる2年生は、前を向いた。


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