戦後にシベリアやモンゴルに抑留され、強制労働に従事して死亡した日本人犠牲者を追悼する集いが23日、東京都千代田区の千鳥ケ淵戦没者墓苑で開かれた。遺族や抑留体験者ら約120人が参列。黙とうと献花で犠牲者に思いを寄せた。
黙とうする「シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集い」の参列者=23日、東京都千代田区で(池田まみ撮影)
主催するシベリア抑留者支援センター世話人で、3年間の抑留を経験した西倉勝さん(99)=相模原市=は「国が本腰を入れ、民間の研究者らとともに総合的な研究・検証を行い、次世代に歴史と教訓を伝えるべきだ」と訴えた。
遺族代表の奥見優子さん(80)=東京都小平市=は、兄の山崎喜代志さんが22歳で亡くなったシベリアの現地を訪問した経緯を紹介。「今なお大地に眠っている多くの方々の無念の叫びを背に感じています」と述べた。
集いの後、犠牲者のうち判明している約4万6300人の氏名をオンラインで読み上げる追悼イベントを開始。26日昼すぎまで続ける。(服部展和)
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