東京にまつわるキーワードの入力の速さを競うゲーム「東京こどもタイピングレース」の画面=都子供政策連携室提供
東京の魅力や都政をクイズやゲームで学べる小学生向けウェブサイト「東京都こどもホームページ」の月間閲覧数が、7月に1000万ページビュー(PV)に達した。昨年度の月平均の約100倍にまで急伸。カギは、徹底した子ども目線によるデザインや使い勝手の改善にあった。(奥野斐)
◆「数字のケタを見間違えた」と思うほどの伸びっぷり
「東京都こどもホームページ」を紹介する子供政策連携室の根岸達也・プロジェクト推進担当課長=都庁で
「数字のケタを見間違えているのでは、とびっくりしました」。都子供政策連携室の根岸達也・プロジェクト推進担当課長(39)が驚く。閲覧数は、開設当初の2022年度の月平均が約3万PV、昨年度は約9万PV。それが直近の今年6月は約850万PVに、7月には1000万PVを超えた。
サイトの準備は21年度に始まった。都はこども基本条例を21年に制定。子どもの意見表明や施策への反映を意識し、小学生を集めたワークショップの開催やアンケートを通じて内容を詰め、翌年4月に開設した。
◆子どもの声をコンテンツやレイアウトに反映
トップページは「建物や緑のある街並みのイラストがあるといい」という子どもの声を生かした。東京や62区市町村に関するクイズ「東京なるほど白書」や「東京の魅力すごろく」、普段見られない知事室、小河内ダム、東京港コンテナターミナルなどの内部を紹介する「バーチャル社会科見学」など、楽しく学べるコンテンツを充実させた。
都は運営費やコンテンツ制作費などで、22年度は約5000万円、23年度に約7500万円、本年度は約5700万円を計上した。
◆23年12月に導入したタイピングゲームが人気
小学生にサイトの改善点などを聞いたワークショップの様子=都子供政策連携室提供
閲覧数が伸びたきっかけの一つが、キーボードで東京にまつわる言葉の入力の速さを競うゲーム「東京こどもタイピングレース」。昨年12月に導入し、「都庁があるのは新宿区」「レインボーブリッジのながさは798メートルだ」「国分寺市は日本の宇宙開発発祥の地」などの出題文章は小学生から募っている。
閲覧数が伸びたことに、根岸課長は「子どもの意見を聞いて反映してきたことと、コンテンツの魅力、周知が積み重なった結果では」とみる。区市町村の教育委員会と連携し、学校の授業がある時間帯の利用者も増えた。「大人でも知らない東京の豆知識、情報、新たな発見がある。親子でも楽しんでもらえたら」
夏休みが終わるこの時期は、心身に不調を来す子どももいる。サイトは楽しめるだけではない。いじめや虐待、性被害など約20の相談窓口も載せている。相談には電話やメール、LINEで応じる。
東京に関するクイズをまとめた「東京なるほど白書」の画面=都子供政策連携室提供
「バーチャル社会科見学」の画面=都子供政策連携室提供
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