塔の真下にある広場で水遊びをする子どもたち=いずれも墨田区で
世界一の高さの自立式電波塔「東京スカイツリー」(東京都墨田区)。その足元は、子どもたちの歓声に包まれていた。
敷地内の道路脇にある広場は、全身びしょぬれの子どもたちで大にぎわい。地面から小さな水柱が何本も噴き上がる。
水を浴びたり、触ったり。自分の背丈よりも高く噴き上がると、ひときわ大きな声を上げてはしゃいでいた。座り込んで出てくる水を押さえ込もうと夢中な子や、鼻に水が入って泣き出す子も。一生懸命に遊ぶ子どもたちで騒がしい中、見守る大人たちにも水しぶきがかかっていた。
葛飾区から訪れた小学2年生の村井琢弥さん(8)は「上から降ってくる水が気持ちいい」、妹の友香ちゃん(4)も「冷たくて楽しい」と大喜び。母親の時子さん(40)は「普通の公園だと日中は暑くて遊ばせてあげられないので、助かる」と笑顔を見せた。
噴水や水にちなんだ遊具がある広場
広場の噴水は、夏場の熱中症対策に涼を取ってもらおうと、2012年の開業当初からある。子ども向けに整備したわけではないが、集まってくるのはほとんどが小さな子どもたち。水遊びの遊具も入れ替えながら置かれ、上から水が落ちてくる仕掛けやウオータースライダーなどが登場する。今では子どもの大人気スポットとして定着した。
高さ世界一の真下にあるオアシス。子どもたちの笑い声が、暑さを吹き飛ばしている。(鈴木里奈)=おわり
<東京スカイツリー>2012年5月に墨田区に開業した電波塔。高さ634メートルは、東京の旧国名である「武蔵(むさし)」にちなむ。商業施設「東京ソラマチ」や水族館、プラネタリウム、オフィスビルなどを併設。高さ350メートルと450メートルに展望室がある。