子ども条例改正へ議論 前文に中高生の意見を生かす 世田谷区施策のチェックへ第三者委員会 設置検討

東京都世田谷区が子どもの権利や保護を定めた「子ども条例」の改正に向けて議論を重ねている。子ども自身に条例の前文を考えてもらうほか、区の施策などが子どもの権利を守っているかをチェックする第三者委員会の設置も検討し、来年4月の施行を目指す。(佐藤航)

条例は国連が1989年に採択し、日本も批准した「子どもの権利条約」に基づき、区が2001年に制定した。18歳未満の子どもの人権について定め、区や保護者、学校の務め、虐待の禁止、いじめへの対応などを盛り込んでいるが、内容が抽象的な部分も多かったため、改正に向けた議論を進めることにした。

区は中学生と高校生でつくる「子ども条例検討プロジェクト」を立ち上げ、6~7月に4回の意見交換を実施。条例の前文や目標についてアイデアを出してもらった。「私たちがどんな進路を選んでも、一人一人に合わせた応援をしてください」など、子ども自身の生の声を盛り込んだ前文案などを取りまとめた。

また、区の施策や施設などが子どもの人権を十分に考慮しているかどうかを検証するため、第三者委員会の設置を条例に盛り込む検討も開始。委員は教育や福祉などの専門家に加え、子どもと年齢が近い若者の登用も想定し、検証結果を区へ報告してもらう考えだ。

保坂展人区長は5日の定例会見で「これまで子どもたちから『区に意見を出しても具体的に動いてくれない』という声も出ていた」と説明。「子どもの声を反映させた条例をつくりたい」と強調した。

10月には北沢2の「北沢タウンホール」で子どもの権利に関するシンポジウムを開き、区民からパブリックコメントも募り、来年2月をめどに改正案をまとめる計画だ。


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