公立小中学校の給食費を完全無償化する区市町村に対し、東京都が補助の拡充を打ち出したことを受け、これまで無償化への対応が分かれていた多摩地域の自治体で、前進する動きが相次いでいる。本紙の調査で、未実施の12市町が来年1月からの無償化を「実施する」「前向きに検討する」と回答した。(岡本太)
都は今月6日に発表した一般会計補正予算案で、区市町村の給食費無償化に対する補助割合を2分の1から8分の7に引き上げる方針を表明。調査は都の発表を受け、現時点で公立小中学校の給食費を完全無償化していない12市町を対象に今後の対応を聞いた。
結果は日の出町が今年10月から、東村山、国立、東久留米、稲城、羽村、あきる野の各市が来年1月の3学期から完全無償化を「実施する」と回答。町田、小金井、日野、東大和、清瀬の各市も無償化に向け「前向きに検討する」とした。
都内の小中学校給食費の完全無償化を巡っては一部の村などを除くと、財政的に余裕のある23区が先行する形でスタート。2022年9月、葛飾区が無償化を打ち出して以降、一気に広がり、今年4月には全23区で無償化が実現した。
一方、多摩地域では23年4月時点で無償化した自治体はゼロ。24年度から都が2分の1の補助を始めると、財政力の違いなどで対応が分かれる形となり、新たな「多摩格差」となっていた。
調査では、都の補助拡充について多くの自治体が「評価する」と回答。一方で「居住地によって大きな教育格差が生じることのないよう、本来は国による広域的な対応が必要だ」との声が寄せられた。
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