JR東日本は30日、高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)西側の再開発で、オフィスや国際会議場、ホテルなどが入る地上30階と同29階のビル2棟を来年3月27日に開業すると発表した。明治初期に海上に線路を引くため造られ、再開発に伴い出土した「高輪築堤(たかなわちくてい)」の公開は2027年度中を見込んでいる。
高輪ゲートウェイ駅(手前)西側に来年3月、開業する再開発ビル=JR東日本提供
◆来年3月にビル2棟開業、改札内外に4店舗
再開発は、JR山手線や京浜東北線沿いで南北1.6キロに細長く延びる品川車両基地の跡地13ヘクタールを活用。来年3月のビル2棟の開業に合わせ、ビルと直結する高輪ゲートウェイ駅は改札口を2カ所に増やし、改札内外に計四つの店舗を設ける。
現地保存が一部にとどまった高輪築堤にちなみ、2棟の西側に築堤の石積みを再現し、レールを埋め込んだ空間「高輪リンクライン」を造る。JR東はスマートフォンなどを使った拡張現実(AR)を活用し「日本で初めて鉄道が走った当時の風景を感じられるようにしたい」としている。
2027年度に公開予定の高輪築堤の遺構イメージ=JR東日本提供
JR東によると、翌26年春には住居やオフィスが入る高層ビル2棟と複合文化施設「MoN Takanawa」(モンタカナワ)を開業する。また、築堤のうち、現地保存されて国史跡に指定された部分は27年度中に公開予定で、再開発地区の公園の地上・地下など複数の視点から見られるよう工夫するという。(梅野光春)
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