JFL クリアソン新宿 大舞台「国立」で試合 後押しを 11月11日「サッカーの日」

区内の商店街を回って国立競技場での試合の告知ポスターを手渡すクリアソン新宿の岩舘直選手(右)=新宿区で

東京都新宿区を拠点に東京23区から初のJリーグ入りを目指すサッカークラブのクリアソン新宿が、国内4部相当の日本フットボールリーグ(JFL)で今季2回目の国立競技場(新宿区)でのホーム試合を開催する。大舞台は11月11日。お膝元での試合を前に選手らは地元の商店街を回り、多くの来場を呼びかける。(上條憲也)

試合を告知するポスターを手に区内を回るゴールキーパーの岩舘直(いわだてなお)選手(36)が「新しいポスターを持ってきました」と声を掛けると、各店から「さっそく張らせてもらうね」「月曜の試合は見にいくよ」。歴代選手の大半がチームの運営会社の社員として区内をくまなく回ってきた。数珠つなぎに地元の人たちを紹介してもらったり、地道に顔を合わせてきた。

J2水戸やJ1浦和に在籍した岩舘選手は、選手の域を超えた環境にやりがいを感じるとし「チームを強くするのは選手だけでない。ホームタウン活動の頑張りとかを水戸では身近に見てきて、興味があった」。

J2熊本やJ3讃岐に在籍した池谷友喜(いけやゆうき)選手(29)も「一度のサッカー人生。チームを強くして自分らでJリーグに上げていくからこそ届けられる価値があると思った」と加入。運営会社の社員としては大学生のキャリア支援事業を担当し「自分らしい正解を自分で決める方が人生は豊かになる。自分の経験を踏まえ(学生らに)伝えられている感覚がある」と言う。

キックオフ直前、スタンドに向かって意気込むクリアソン新宿の選手たち=調布市のAGFフィールドで

「世界をポジティブにつなぎ合わせていくことの価値をサッカークラブとして発信したい」(丸山和大(かずとも)社長)と多様性の街と言われる新宿を拠点に活動し、今季就任した元日本代表の北嶋秀朗(ひであき)監督(46)のもとJFL3季目。11月11日の試合は三浦知良(かずよし)選手(57)が在籍するアトレチコ鈴鹿を迎える。

平日夜だが、6月の試合でつくったJFL最多入場者数記録(1万6480人)を更新する可能性もあり、当初の別会場から変更された経緯がある。岩舘選手は「新宿のチームが国立競技場でやって当たり前のようにみなさんが国立競技場に行く。そんな文化になれば」と奮起する。

<クリアソン新宿>2005年に立教大のサークルOBなどを中心に設立したチームが前身。名前の由来はポルトガル語で「創造」を意味する「クリアソン(Criacao)」。12年に株式会社化し、18年から現名称。新宿区内にホームスタジアムとする会場がなく、ホーム試合は味の素フィールド西が丘(北区)やAGFフィールド(調布市)を使用。09年の都社会人リーグ4部参入からカテゴリーを上げながら、来季のJ3クラブライセンスを取得するなどJリーグ入りを目指す。


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